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2000/4/7                  30号


喜怒哀楽

ただいまのテーマ

お隣の国デンマーク

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  マルモの橋が六月から開通することを創刊号で書いた。マルモ、コペンハーゲン間の約20キロをつなぐ橋だ。
 でも、デンマークと一番近いのは、もう少し北のヘルシンボリ、エルシノア間である。わずか、五キロしか離れていない。そのため、車で渡る人のために大型フェリーが20分毎に出ている。この20分という時間が、所要時間でもある。二隻のフェリーがピストン運転を繰り返しているのだ。

 他の港から出ている船に比べて、圧倒的に早いし安い。

 電車にのったまま、フェリーに乗って渡れるように、線路もつながっている。ビジネスラインなので週末は、値段が3割ぐらい安くなるのもうれしい。

 シーズン限定だが、旅行者用のマルモ、コペンハーゲン、エルシノア、ヘルシンボリをぐるりと回れる電車と船の周遊切符は、マルモ、コペンハーゲンの往復料金より安いという優れものなので、時間がある人は、試してみてください。ただし、船はどちらのラインも一回づつしか乗れません。

 さて、この船に乗るとまず気がつくのは、大きなビールケースを二段、三段と重ねて運搬用の引き車に乗せている人がたくさんいることだ。なんて従業員が多いのだろうと最初は思った。ところが、それは皆、歩いてデンマークにビールを買いに行く人たちなのだ。行きの船に乗っているのは、前回買ったビールの空き瓶を律儀にも買った店に返却に行くため。料金の安い週末便には、こうしたスウェーデンからのアルコール買いだし客がたくさん乗る。空き瓶は以前紹介したように、デポジット制をとっていて、返瓶するとお金が返ってくる。デポジットの金額が馬鹿にならない。

 もちろん、車でデンマークに行く人も多い。その人達も、帰り道は、トランクをビールでいっぱいにしてくるのが、普通である。エルシノアにある、港に一番近いスーパーではケース毎何箱もビールを買っているスウェーデン人をたくさん見ることが出きる。もちろんデンマーク側もそれを見越してビールを山ほど積んでいる。デンマーク人は商売上手なのだ。
 なぜか?もちろん、スウェーデンではアルコールは決まった店しか売っていないし、税金が高いので、交通費と手間をかけてもデンマークで買ったほうが安いからだ。
 これもEUの動きとともに変化をするだろうといわれている。

 さらに船の上は、免税になっているらしく、たった20分の乗船時間なのに、乗客は先を競って売店に駆け込む。売店でお金を使ってくれるので、乗船料が安く押さえられると言うことにもなっている。

 デンマークとスウェーデンの関わりは、深い。昨年、スウェーデンの原子力発電所が一基閉鎖された。10年前の住民投票の結果がきちんと実行されたのである。しかし、その背景には、デンマークの影響もあった。その発電所は、デンマーク寄りにあったので、原子力発電所を持っていないデンマークからの苦情があったのだ。

 1600年ごろにはデンマークとスウェーデンの戦争も盛んで、スコーネ地方(つまりわたしが今住んでいるあたりね)は、デンマーク領だったこともある。そのせいか、スコーネの旗はまさにスウェーデン国旗とデンマークの国旗の混合である。

 そして当時のデンマークの王様をデンマーク側では、クリスチャン偉大王と呼ぶのに対し、スウェーデン側では、クリスチャン暴君王と呼んでいるのがおかしい。

 さて、観光でデンマークを訪れる予定の人にも役に立つ情報を。コペンハーゲンの日本食レストラン、銀座(31-231746)、東京(31-310165)、さくら(33-131189)、すずらん(33-149094)、すきやき(33-321670)とある。ネーミングからも哲学できそうでしょ。( )内は電話番号。評判は、お金の無駄遣い、安いけどきたない、従業員の態度が悪い、おいしいけど高い等など、どの店がどの評判かは書きません。実地体験してみてください。ちなみにわたしはこのうちの3軒に行きましたが、日本食はおおむね高いです。でも、長期旅行で日本食が恋しくなったら、奮発してみてください。

 そして、このうち一軒では、席に座るまでに1時間待たされ、注文したものが来るまでに1時間半待たされた。しかも味はプロとはいえない。3人いる板前が全員風邪で休んでしまった(推定1)、仕方ないのでオーナーの奥さんが料理している(推定2)、そのために手順がわからず、なおかつ家庭料理の味になっている(推定3)など、いろいろ好意的(?)に考えたが、それにしても、遅すぎる。だってテーブル数10未満なんですよ。しかし、回転が遅いせいもあって席はいつも満席。我が家以外はデンマーク人。そして、誰も文句も言わずに、料理がでてくるのを待っている。デンマーク人って本当に忍耐強い。

 でも、結局合計2時間半待って、15分で食べ終わって、文句も言わずに出てきた我が家族も、もうすっかり、北欧に順応している。ささやかな抵抗で、チップはつけませんでした。こんなことぐらいです。わたしにできた意思表示……。

 
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