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2000/10/27                  53号


喜怒哀楽

ただいまのテーマ

みんなの権利

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  スウェーデンには「Allemansra:tten」というものがある。
 いつ頃からあるかわからないほど古い伝統的な野外活動についても民間ルールである。

みんなの権利

住んでる人の家から邪魔をしないだけの距離があれば、他の人の土地でも、立ち入ってよい。
同じく、邪魔をしなければ、他人の土地の塀、石垣、ドアを通過しても良い。
きのこ、ベリー、花は保護植物でないかぎり、他人の土地でもとって良い。
同じく、邪魔をしなければ、他人の土地でテントをはって、一、二泊なら泊まっても良い。ただし、キャラバンで宿泊する場合には、持ち主の承諾がいる。
周囲を傷つけなければ、焚き火をしてもよい。
森の中の小道は、他人の土地でもドライブしてよい。
ボートを他人の桟橋に止めても良い。ただし、完全なプライベート桟橋(庭につづくような)はだめ。
同じく、邪魔をしなければ、他人の湖で、泳いでも良い。

してはいけないこと

住んでいる人の住居内が見えたり、話し声が聞こえたりするところに立ち入ってはいけない。
小麦など畑の植物は、とってはいけない。森の中でも、育成しているような植物はとってはいけない。
枝や葉っぱ、木のみを木から直接とってはいけない。(落ちているのはいい)
保護している植物をとってはいけない。
鳥の巣や、たまご、ひななどをとってはいけない。
誰かの土地を傷つける行為をしてはいけない。
他の人の所有する湖で、さかなを、釣ってはいけない。
森を歩く時は、犬にリード紐をつけること。
ごみを捨ててはいけない。

 つまり、まとめて言うならば、他人の土地であろうと、居住空間の邪魔にならなければ、泊まったり、散歩をしたり、泳いだり、キノコ狩りをしたりしていいということである。
 ただし、そのためには、土地を傷つけたり汚したりしないという暗黙の了解があるのだ。
 犬を放さないというのも、森の小動物に危害を加えないためだそうだ。

 他人の土地には一切入ってはいけないデンマークやドイツのツーリストが夏になるとバックパッカーとして、スウェーデンにやってきて、あちこちを泊まり歩くのも、この「みんなの権利」が保証されているからである。

 自然は、基本的にみんなで分け合うものと言うスウェーデン人の思想がうかがわれて、わたしは、この民間ルール、いたく気に入っている。

 それにしても、人里はなれた土地を有刺鉄線で囲んでいる日本。それも醜悪だが、そこに、大量の粗大ゴミを捨てて行く人々も、本当に醜悪だ。茨城や多摩などの山奥に行くと、どう見ても家庭のごみとしか思えないような、洗濯機や、冷蔵庫、黒いビニールのゴミ袋、時には、ナンバーをはずした乗用車まで、捨ててあるのを見かける。

 聞いた話によると、最初のひとつが捨てられると、たちまちそこは、ゴミ捨て場と化すのだそうだ。

 人口に差があるのはわかるけれど、自然の美しさを共有財産と考え、なおかつ、後世に残して行く価値のあるものと考えている、そして実行しているスウェーデン人、もしかして、すご〜く、賢いのではないだろうか。
 しかし、そのルールを知って以来、森の中を散歩する時、無意識のうちにベリーやきのこをさがしているわたし…得したい根性は、日本製?




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