2001/2/10                  65号


喜怒哀楽

ただいまのテーマ

北欧神話

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北欧神話は、もともとゲルマン人の神話から発展した。そして、それは、9〜13世紀にかけて北ゲルマン人の間で韻文によって伝えられた「古エッダ」、13世紀にアイスランドの学者ストゥルルソンによって、書かれた「新エッダ」、そして、12〜14世紀に書かれた散文物語「サガ」に残されている。

 スウェーデン人のどのくらいが、北欧神話を知っているか?多分、100%の人が知っているだろう。しかし、それぞれ、どこか一部分を知っては、いても、全部を知っている人は少ないだろう。ということだ。日本神話と同じですね。

 で、みなさんも、少し「北欧神話」をかじっておくと、どこかで、知ったかぶりできるかも。でも、どこで?

 北欧神話の中心となる神はオーディンという。オーディンは学習、知恵、詩および魔術と関連を持っていた。自分では、闘うのはきらいなのだ。そのスマートさが気に入られたのか、貴族や戦士が信奉した。
 オーディンの息子の農業の神トールは、農民に人気だったのだが、オーディンに主神の座をとられたのである。

 さて、そのオーディン、片目がない。ミミールの管理している泉の水を飲むと溢れるほどの知恵がさずかれるというので、右目と交換に飲ませてもらったのだ。
 それで、オーディンの姿は、帽子を目深にかぶって片目を隠した青いマントの老人姿で描かれることが多い。

 オーディンの持ち物で有名なものが、いくつかある。
まず、筆頭にあげられるのが、フギンとムニンという2羽のワタリガラス。ワタリガラスって、インディアンも聖なる鳥としてあつかっているし、日本の神話でもでてくるらしい。なにか、超能力でもあるのだろうか。
 さて、オーディンのフギンとムニンは超能力がある。フギンは、意志の象徴。ムニンは記憶の象徴。二羽のカラスは、早朝、飛びまわって世界中を見てくる。そして、オーディンが起きる時には戻ってきて、その耳元で、今、世界に起こっていることをすべて報告するのだ。
 神話の時代から情報がいかに重要視されていたかが、わかって面白い。わたしもフギンとムニンが欲しい。

 さらに、8本足の馬、スレイプニル。世界一早い馬である。オーディンと敵対する魔神ロキが、城壁作りを手伝った雌馬を誘惑して、自分が雄馬に化けて作った子どもだ。
自分も馬になって思いを遂げる情熱もすごい。もっともロキはその後、また人間の姿にもどって、悪戯悪さをしまくるのだが。
 オーディンが、スレイプニルを見て「いいなあ、ちょうだい」といったら、「いいよ」と言ってあっさりくれるあたりも含めて、ロキという魔神。けっこう、いいやつ。

 武器としては、投げれば必ず敵を倒す槍グングニル。さらに、九日毎に同じ重さの腕輪を生み出す腕輪ドラウプニルなんかも、もっている。お金にも困らないということなのでしょうかねえ。

 オーディンで忘れては、ならないのは、自分を九日九晩、世界樹(世界の元となるトリネコの大木で、ユグドラシルと呼ばれる)に吊るして、苦悶の末に生み出したルーン文字。
これは、その後、バイキングの文字ともなり、今も、世界中で、石碑などが見られる。魔力があるともいわれている文字である。

 先ほどチラリと書いたロキ。北欧神話では、敵役悪役ででてくる。結局最後は捕らえられて、洞窟の奥、毒の滴る場所に縛られる。
 彼の妻が、毒を皿で受け止めているが、皿がいっぱいになると外に捨てに行く為に、その間、毒がロキの上に落ちる。そのもがき苦しみが、地震になるのだそうだ。
 スウェーデンでは地震がないので、きっとロキは、日本の下辺りの洞窟にいるのだろう。

 オーディンには、たくさん子どもがいるが、雷神トール(前述した農業の神ね)と、軍神ティルが有名だ。それに、美と愛と豊穣の女神フレイヤ(ビーナスですね。時にはオーディンの妻フリッグと同一視されることもあり)を加えて、1週間の曜日が決まった。

 オーディンが、1週間と曜日の名前を決めようとしたとき、一番籤を引いたのがティル(Tyr)。でTyrs dagすなわちTisdag(スウェーデン語の火曜日)。
二番籤がオーディン(Oden)。Odens dagすなわちOnsdag(水曜日)。
三番籤がトール(Tor)。Tors dagすなわちTorsdag(木曜日)。
4番籤がフレイヤ(Freja)。Frejas dagすなわちFredag(金曜日)。
 オーディンは1週間を4日にしておいたのだが、人間が後にそれに、太陽の日と、月の日をいれて、6日に。そして、さらに後に洗濯の日(スウェーデン語のLo:gaは、洗濯と言う意味、そして、それがLo:gardagen=Lo:rdag土曜日に)を入れて7日にして、現在の1週間になったとか。
 スウェーデン語を知らない人には、なんだかよくわからないでしょうね。ごめんなさい。
でも、なんとか曜日ぐらいはわかるようになったわたしには、すごく興味深かったので、強引に書きました。

 他にもいくつか面白いエピソードがあるのですが、興味のある方は、日本語に訳されている「北欧神話」を読んでみてください。日本神話もギリシャ神話もすきですが、神々がとても人間的?で、面白いですよね。(って、おしつけがましい)

 その、北欧神話の世界には予言を含めた最終章がある。

 オーディンは、バルハラといういわば天国を持っていて、勇敢に戦死した兵士たちを選んで、そこに集めている。かれらは、昼は訓練、夜は宴会という日々を送っている。天国と言えども遊んでばかりはいられないんですね。
 残りの死者はヘルという地獄の女神が管理する闇の世界に落とされる。

 訓練をしながら、何を待っているのか。
世界の終末ラグナレクの闘いを待っているのである。そこでは、結局、神々も巨人も人間もすべてほろびるという壮絶な闘いである。
 結局、天国に行った人達もみんな死ぬわけだ。

 そして、その後に、新しい世界が海中からうかびあがって、生き残った?神々と人類がすみ、光の世界を作るのだ。

 中世の神話が作られる頃から、人々は、戦いによる世界の終わりを予感していて、それでもまだ、そのむこうにある希望を信じている様子がうかがわれて、本当に、人間っていとしいなあ……なんて、思ってしまったのでした。


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